2日目プログラム:11/12(日)明治学院大学白金校舎

.

<2日目基本情報>

会場:明治学院大学白金キャンパス・パレットゾーン、3号館ほか
分科会・ワークショップ 9:30~17:30(開場9:00)
ブース・マルシェ 10:00~16:30
入場料:無料


09:30-10:20 全体会

会場:パレットゾーン・インナー広場2F

さあ、「しあわせの経済」世界フォーラム2日目のはじまりです!
世界、そして日本からの報告が続いた1日目を受けて、私たち参加者一人ひとりが主体的に「考え」、「つながり」、「発信」することで、場がデザインされていきます。

身体をほぐしながら、昨日をふりかえり、改めて、海外からのゲストと顔の見える挨拶をして、午前午後と展開されるテーマごとの分科会について、オリエンテーションを受けましょう。


<同時開催①>ローカリゼーション映画祭  会場:3号館3101教室(地下1F)

内容:食と農からローカリゼーションを考えてみませんか? 毎日の「食べる」選択が、地球の裏側で、人々に、地球にどんな影響をもたらすのか、映画を通じて一緒に考えてみませんか? お子様連れのお父さんお母さんも、ぜひお気軽にご参加ください。

企画:パルシステム協同組合連合会、パルシステム東京、APLA、SF北海道、NPOジュレー・ラダック、パタゴニア日本支社


<同時開催②>「しあわせの経済」マルシェ 会場:インナー広場2F

内容:日本のローカルも、世界の潮流に呼応するように、「しあわせの経済」に向けて動き出しています。実行委員会を中心にした展示、販売ブースがずらり。森林農法のコーヒーや作り手の顔がみえる地域の唯一無二の産品、お野菜たっぷりの有機ランチボックスの販売も。

参加団体:coming soon


■分科会1 10:30~12:00

*下記プログラムの中から、ご自分の興味関心にあるものにご参加ください。

A-1:ローカルxエシカルx地球にやさしい金融とは?

参加申込フォーム: http://bit.ly/2wYfidN


会場:インナー広場2F

内容:地球環境問題、難民問題の深刻化や保護主義的な政策が次々と打ち出されている現在の世界において、資本主義とグローバルマネーが生み出した「グローバル化の限界」が様々な局面で見えはじめています。これらの課題解決に向けて注目されているのが「ローカライゼーション」、「エシカル消費」、そして「責任ある金融」。よりローカル、エシカル、かつ持続可能な社会の実現に向けて、今まで日本の発展を支えてきた金融機関の役割を見つめ、一般消費者として、どのような選択肢があるのかを考えていきます。
詳細こちら

司会:末吉里花エシカル協会代表理事

トーク:吉原 毅(城南信用金庫顧問)、新井和宏(鎌倉投信ファンドマネジャー)、ジョージ・ファーガソン氏(建築家、元ブリストル市長)、古野 真(350.org JAPAN代表)

企画:350.org Japan


A-2:伝統文化に学ぶ「しあわせの経済」

会場:インナー広場1F

内容:幸福度の高さで知られるチベット文化圏ラダック地方。ラダックの人々は「真の幸せは、外側ではなく、内側にある」と言います。
いくら頑張っても、豊かになっても、なんだか幸せではない現代の悪循環から抜け出すヒントとなる、ラダックの人々の価値観や精神性について、仏法論理学の高僧であり、仏教大学長を務めるゲシェ・コンチョック・ワンドゥさんに伺います。

トーク:コンチョック・ワンドゥ(仏教中央大学学長、ラダック)、スタンジン・ドルジェ(映画監督、ラダック)、ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ(ローカル・フューチャーズ代表)

モデレーター:スカルマ・ギュルメット(NPOジュレー・ラダック代表)

企画:NPOジュレー・ラダック


A-3:「雑」×ローカル×しあわせ

会場:アートホール

内容:coming soon

出演:高橋源一郎(作家、明治学院大学教授)、田中優子(江戸研究者、法政大学総長)、山崎亮(コミュニティデザイナー、東北芸術工科大学教授)

モデレーター:辻信一(環境運動家、明治学院大学教授)

企画:明治学院大学国際学部付属研究所


A-4:ローカリゼーション映画祭

 

バナナ、循環型農業などの映像
「幸せの経済学」短縮版(日本語字幕付)(20分)
「Unbroken Ground (未開の領域)」(20分)

*各作品上映の前後に、Be the Change!なシェアタイムあり。

>>お申し込みはこちら

企画:パルシステム連合会、パルシステム東京、APLA、パタゴニア日本支社


ランチ休憩 12:00~13:00

ブースやマルシェを回りながら、初めての人と食事を囲んで過ごしましょう。

メイン会場のインナー広場2Fでは、「しあわせの経済」をみんなでプチ体験するシェアランチ会を開催。お弁当や一品をもちより、ふだんは学食として使われているまあるいテーブルに座り、お隣さんと「こんにちは」と会話をしながら、情報交換しませんか?

遠くから泊りがけでフォーラームに参加している方、お弁当をつくる時間がなかったという方は、ブースでもオーガニックのお弁当(数量限定)もお買い求めいただけます。(当日は日曜のため、学食はしまっています)


■分科会2 13:15~14:45

下記プログラムのなかから、関心あるテーマの分科会にご参加ください。

B-1:スピリチュアリティと「しあわせ学」

会場:インナー広場2F

内容:私たちのしあわせはどこにあるのでしょうか?物質的には恵まれ、豊かな国である日本。けれど、格差は広がり、日本人の6人に1人は貧困層とも言われています。私たちが誰も取り残されずにしあわせになるにはどうしたらいいのでしょうか?

幸福学の第一人者である慶應SDM教授の前野隆司さん、GNH(国民総幸福)を国家の発展の指標として打ち出しているブータンよりネテン・ザンモさん、インドで仏教をベースにディアパークを運営するプラシャント・ヴァルマさん、NPO法人セブン・ジェネレーションズ理事・鳥谷部愛で、いまここからしあわせでいることを考えます。

前野教授によるミニハッピーワークショップも体験できます!ぜひご参加ください。

トーク:前野隆司(慶応大学教授)、ネテン・ザンモ(持続可能なコミュニティ指導者、ブータン)、プラシャント・ヴァルマ(ディア・パーク事務局長、インド)

モデレーター:鳥谷部 愛(NPOセブン・ジェネレーションズ)

企画:NPOセブン・ジェネレーションズ


B-2:地域経済を取り戻す

会場:インナー広場1F

内容:グローバル化された経済に翻弄されるのではなく、外的な衝撃にもしなやかに強い、レジリエントで幸せな地域をつくるためには、地域経済を取り戻す必要があります。

地域はどのように経済(暮らし)を自分たちの手に取り戻すことができるのか、具体的な考え方や枠組み、方法論や事例を日本国内・海外から持ち寄り、「地域からのしあわせな経済」を考えていきます。

トーク:ジョージ・ファーガソン(建築家、元ブリストル市長)、枝廣淳子(東京都市大学環境学部教授)、大江正章(コモンズ代表)、許文卿(全州大学教授)

企画:幸せ経済社会研究所、コモンズ


B-3:都市とローカリゼーション~日本のローカリゼーションを実際やってみて地域はどう変わったか

>>最新情報はフェイスブックでチェック!

会場:アートホール

内容:コミュニティのつながりを取り戻す試みとして、各地で展開されてきたローカリゼーションやトランジション活動。 安心、日常の豊かさ、お金に依存しない楽しみ、信頼のネットワーク…。そこから生み出された「目に見えない」豊かな実りは、確実にコミュニティに変化をもたらしています。

ローカリゼーションの活動10年が地域に作りだした「違い」を探求。GEN-Japanが2016年より始めた「ガイヤ・エデュケーション」の展開も報告します。

トーク:吉田俊郎(NPOトランジション・ジャパン代表理事)、小山宮佳江(トランジション藤野)、大村淳(トランジション浜松)、片山弘子(トランジション鈴鹿)、えこびれっじネット日本GEN-Japan、ジャン・ランイン(IRRC学院長)

コメンテーター:ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ

ファシリテーター:廣水 乃生

企画:NPOトランジションタウン・ジャパン、えこびれっじネット・日本 GEN-Japan


B-4:ローカル×食・農~「食卓」から創る「未来」~

>>お申し込みはこちら。

会場:3号館・3102(地下1F)

内容:「食卓に並ぶ食材をどう選ぶか、どう作るか、で子どもたちの未来が決まる」と言ったら、突拍子もない話に聞こえるでしょうか。

「ローカリゼーション」の考え方の一つとして、できるだけ国内の顔が見える範囲や地域の中で、食糧やエネルギーを調達し、地域内で循環する経済をつくることが望ましい、という考えがあります。このような「食・農を中心に地域内で経済をまわす」取組は、すでに日本中で広がりつつあります。

「ローカル×食・農」分科会では、そんな取組を実践するゲストからお話を聞き、「私たちにできること」を一緒に考えます。輸入飼料への依存を減らし、日本のお米を食べて育った「こめ豚」の試食もあります!

トーク:島村菜津(ノンフィクション作家)、豊下勝彦(ポークランドグループ代表)、野々山理恵子(パルシステム東京理事長)

企画:パルシステム協同組合連合会、パルシステム東京、APLA、SF北海道


B-5:ローカリゼーション映画祭

会場:3号館・3101教室(地下1F)

「氷河と羊飼い」(日本語字幕付)(65分)

*上映後、監督スタンジン・ドルジェさんとシェアリングあり


分科会3 15:00~16:30
C-1:ポスト福島のエネルギーにみるローカリゼーション


会場:インナー広場2F

内容:2011年の震災・原発事故から6年半。当時、考え方が大きく変わったという方も多いかもしれません。エネルギーのあり方についても、「関係のうすい遠くのこと」から身近な問題として考えるようになりました。

世界では、企業や自治体、大学などが相次いで再生可能エネルギー100%調達を宣言し、日本でも各地で、エネルギー自立を目指す興味深い動きが始まっています。私たちのくらしもつながっています。一緒に考えてみましょう!

トーク:渡邊智恵子(アバンティ株式会社代表)、吉田俊郎(トランジション南阿蘇代表)、平野彰秀(地域再生機構副理事長)、大河内秀人(見樹院住職)

モデレーター:吉田明子(パワーシフトキャンペーン)

企画:パワーシフトキャンペーン


C-2:アグロフォレストリーに学ぶローカリゼーション

会場:インナー広場1F

内容:coming soon

トーク:レオナルド・ドゥラン(トセパン協同組合プロジェクトリーダー、メキシコ)、フランクリン・ヴァカ(インタグコーヒー生産者協会、エクアドル)、シワコーン・オドチャオ(レイジーマン農場リーダー、タイ)、中村隆市(ウィンドファーム代表)

企画:株式会社ウインドファーム


C-3:コミュニティデザイン~参加の「場」づくり

会場:3号館・3102教室(地下1F)

内容:coming soon

トーク:山崎亮(コミュニティデザイナー、東北芸術工科大学教授)、ジョージ・ファーガソン(元ブリストル市長)

企画:スタジオ・エル


C-4:できることから自給する!~ローカルシフトのはじめ方

会場:アートホール

内容:私たちが無理なくローカルシフトを始められる、そんなソフトランディングは可能なのでしょうか? 当分科会では、グローバル経済からの降り方をお示しします。

トーク:郭洋春(立教大学経済学部教授)、白井和宏(季刊『社会運動』編集長)、高坂勝(SOSAプロジェクト代表)、林良樹(NPOうず)

企画:農力向上委員会


C-5;ローカリゼーション映画祭:映画「100年ごはん」上映+大林千茱萸監督スペシャルトーク

>>お申込みはこちら

会場:3号館3101教室(地下1F)

内容:たべものは体になっていく。どんな食べものを食べたいですか?健康な食べものは、健全な土で育てられます。新しいけれど、昔から大切なこと。健全な魂は、健康な食べ物から。健康な食べ物は、健全な土から。食は過去・現在・未来をつなぐバトンです。

100年つづく豊かな未来のため、無化学合成農薬・無化学肥料の野菜作りを推進する大分県臼杵市を舞台に、100年単位の仕事の’はじめの、はじまり’のドキュメンタリー映画「100年ごはん」(65分)。上映後には、本作品を撮られた大林千茱萸監督とのトークセッションを開催します。

*英語字幕がつきます。外国の方もぜひお誘い下さい。

企画:SF北海道、パルシステム生活協同組合連合会、パルシステム東京、APLA


クロージング

日本で初開催となった「しあわせの経済」世界フォーラムを振り返り、参加できた一人ひとりが、ゲスト・参加者を含め、どんなギフトを自分の暮らしに、家族に、地域に持ち帰れるかを再確認します。

スローライフ再論「グローバルからローカルへ」辻 信一

スローライフ再論:「グローバルからローカルへ」辻 信一

『よきことはカタツムリのように』(春秋社より)

 

集合的意識の胎動

長い間、環境運動家を名乗っているぼくだが、いまでも、不思議と言うしかない。地球上にかつて存在した生物の中で最高に知的な存在であるはずの人間が、自分の住処である地球とその自然のメカニズムを狂わせているのだから。自然生態系は人間の生存にとってなくてはならない最低限の条件。その破壊が止まらないとすれば、その先にあるのは、人類としての”死”に他ならない。

悪魔に魂を売ったのでなければ、一体、何と引き換えに、そんな自滅への道を選ぶのか。それが問題だ。

こんなことをぼくが言うと、必ず返ってくるのが、「そうは言っても現実は…」という話だ。そこでいう「現実」とは、景気とか、株価とか、選挙とか、のことであり、個人のレベルなら、雇用であり、給料であり、ローンだ。そしてそれらをまとめて一言で言えば「経済」、もっと平たく言えば、「お金」。それが「現実」という”物語”のテーマであり、主人公なのだ。そして両脇を固めて、主人公を支えるのが、科学技術。

その他のこと、人権、民主主義、平和、福祉、コミュニティ、愛、などというイシューは、どうなってしまったのか。もちろん、誰だって一定の価値をそれらに認めないわけではないが、結局のところ、「そうはいっても現実は…」とうところに落ち着いてしまう。

こうした”物語”を世界規模に広げたのが、グローバル化と呼ばれるものだ。本来、「グローバル」とは「世界的」や「地球的」という肯定的な意味をもつ大切な言葉だったはずだ。それが、多国籍、無国籍の大企業や大銀行による、障壁のない自由な通商を表現する言葉へとすり替えられてしまった。

一方の「ローカル」は、どうか。中心に対する周縁、都会に対する田舎、コスモポリタンな意識の広さやセンスのよさに対する、視野の狭さ、古臭さ、文化度や生活水準の低さ、など、「とるにたらないこと」の代名詞にまで貶められてきたのだ。

グローバル・システムの”不都合な真実”が明らかになりつつある今でも、メディアは、グローバル経済讃歌を歌ってやまない。確かに、一見、グローバル化は、そのための新自由主義経済政策は、そしてTPPに代表される規制緩和や貿易自由化の流れは、加速し続けているように見える。

しかし、だ。メディアにはなかなかとりあげられないが、今、世界中で、経済の再ローカル化の動きが広がっている。その軸となるのが、ローカルフードであり、地産地消型の地域に根差した農林水産業だ。日本もその例外ではない(異例のベストセラーとなった『里山資本主義』(2012年)以来、そうした草の根の動きが時折、主流社会の表面に現れ出るようになった)。

特に東日本大震災以降、被災地からの人口流出が急増する一方で、すでにそれ以前から始まっていた都会から地方へ、という流れもまた一層強まった。若い世代に農的営みや無農薬・無添加・オーガニックなど食の安全への関心が高まり、脱原発とともにエネルギーの地域自給への思いも強まった。半農半X、パーマカルチャー、シティ・ファーミング、移住、CSA(地域が支援する農業)、ファーマーズ・マーケットやマルシェ、エディブル・スクールヤード、有機農業・自然農法、「森のようちえん」、などに関与し、参加する人も増える一方だ。

世界中で進むこうした様々な動きは、今はまだバラバラで雑多なものにしか見えないかもしれない。しかし、ぼくには、それらを貫くようにして、その基底に、ある重要な集合的な意識が働いているように思えてならない。

 

「難民としての自分」からはじまる

世界のあちこちに、難民が溢れている(注参照)。そして、その難民が向かう先々に、難民排斥の動きがエスカレートしている。

ぼくは思うのだ。これまで幾多の戦争が難民を生み出しただけでなく、難民を生み出すような状況が戦争を引き起こしてきたこと。そしてもうひとつ、東日本大震災とそれに続く福島の原発災害が生み出した”難民”たちのことを。

今は亡き鶴見俊輔が、3・11後に発言を求められて、震災が大量の死者と被災民を生み出したことを念頭においてだろう、難民について語っている。難民出身の哲学者アイザイヤ・バーリンや画家ベン・シャーンなどの思想を手がかりにしながら、「文明の難民として、日本人がここにいることを自覚して、文明そのものに、一声かける方向に転じたい」と(『思想としての3.11』より、「日本人は何を学ぶべきか」)。

文明の進歩とか、開発とか、経済成長とかの裏側にはいつも大量の難民がいる。文明とは本質的に難民を生み出すシステムなのだ。難民とは戦争などの非日常的な事態が生む特殊な存在だと思われがちだが、実は、文明によって、刻々、つくり出されている。そして、今やグローバル化の進展とともに、文明と難民とが表裏一体の関係にあることが、いよいよ露になってきたのだと思う。逆に、これまでは、その難民化という文明の裏側を隠蔽することで、人々は文明の中へ易々と囲い込まれてきたのではないか。

鶴見の言葉を受けて、ぼくは「難民としての自分」ということを考えてみたいと思った。ある意味では、ぼくたちのほとんどがどこか別の場所から地域からやって来た難民であり、かつて自分の親や祖先を支えていた共同体から切り離され、自然生態系から疎外されて、大都会に暮らしている一種の難民。そういう難民としての自分が、これからどうやって生きていくのか。これがポスト3.11時代を生きる者が向き合うべき問いではないだろうか。

 

鶴見はまた同じ文章の中で、「近隣の助け合いと物々交換から再出発に向かいたい」と言っている。もちろん、それは単なるノスタルジアでも、過去への回帰でもない。

そもそもローカル化とは、円を描いて元に戻ることではない。そうではなく、螺旋を描くように、それなしにはもう人間が人間ではありえないという根本的なつながりへと、進化すること。過去を、伝統社会の智慧をヒントにしながら、来るべき新しい時代を生きる者として、大地に、共同体に根差すという根源的な人間のあり方を学びなおし、発明し直すこと。それがローカル化であり、リ・ローカリゼーションだ。

「グローバルからローカルへ」という流れは、単なる量的な変化ではなく、質的な転換を意味している。そもそも、ローカル化とは単なる小規模化を意味しない。グローバル経済をいくら小型にしてもローカル経済にはならないのだ。また新しい選択肢としての農的な営みとは、経済的収入のための代替案ではない。

グローバル化や環境破壊や原発事故などで人々が失ってきたのは、単に生存のための物理的条件だけではなかった。コミュニティや親族ネットワークや家族といった生存のために不可欠となる、自然との一体性や調和を失いつつあるのだ。

「グローバルからローカルへ」という流れは、これら、難民としての我々が失い、あるいは失いかけている人間存在の基盤を回復しようとする、意識的、無意識的な、人類史的な運動ではないだろうか。

 

注)国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によれば、2015年末の時点で、難民・国内避難者・亡命申請者からなる「避難を余儀なくされた人々」の総計は6530万人。1996年には3730万人、2011年には4250万人だった。

日本が海外から受け入れた難民の数は、2015年の申請者7586人のうち27人。2016年1月から3月の申請者2356人のうち1人だった。